Copilot Studioの導入を検討していると、「月額29,985円と書かれているが、この金額だけで使えるのか」「25,000 Copilot Creditsで何回利用できるのか」と迷いやすいのではないでしょうか。

結論から言うと、Copilot Studioの代表的な価格は25,000 Copilot Creditsを含む29,985円/パック/月です。ただし、これだけで自社の費用が決まるわけではありません。

実際の費用は、次の要素で変わります。

  • 誰がエージェントを作成・管理するか
  • エージェントがどの処理を、どれだけ実行するか
  • 容量パック、従量課金、年間前払いのどれで支払うか
  • 社員向けか、Webサイトや顧客向けか
  • 既存のMicrosoft 365 Copilotライセンスをどこまで活用できるか

本記事では、Copilot Studioの料金体系を分解し、自社に合う契約方式を判断するためのポイントまで整理します。

結論:Copilot Studioは月額29,985円から。ただし「利用量」と「使い方」で変わる

まずは、Copilot Studio単体で外部公開を含む本格的なエージェント運用を行う場合の代表価格を確認しましょう。

2026年8月7日時点で確認した代表価格

  • 容量パック:29,985円/パック/月相当
  • 含まれる容量:25,000 Copilot Credits/月
  • 課金単位:テナント単位
  • 支払条件:年払い、税別
  • 従量課金:Azure経由で、実際に利用したCreditsを後払い
  • 大規模な年間前払い:Copilot Credit Pre-Purchase Plan(P3)

Copilot Studioの容量パックと従量課金の違いを説明するMicrosoft公式FAQ

容量パックは29,985円/パック/月で25,000 Copilot Creditsを利用可能。従量課金は実利用分を後払いします。出典:Microsoft公式価格ページ(2026年8月7日確認)

重要なのは、25,000 Copilot Creditsは「25,000回の会話」を意味しないことです。Copilot Creditsは会話数ではなく、回答生成、アクション、データ参照など、エージェントが実行した処理に応じて消費されます。

そのため、「月額29,985円で何人まで使えるか」と考えるより、「1回の利用でどの処理が動き、それが月に何回発生するか」を見積もる必要があります。

Copilot Studioの料金がわかりにくい理由

Copilot Studioでは、「ライセンス」という言葉だけで費用全体を説明できません。少なくとも、次の4つを分けて考える必要があります。

図:Copilot Studioの費用を決める4つの軸(FourYou作成)

作成者の資格

エージェントを作る人や管理する人がCopilot Studioへアクセスするための資格です。容量パックではCopilot Studio User License、従量課金やP3ではCopilot Studio Author roleが関係します。

実行量

公開したエージェントが回答やアクションを実行すると、処理内容に応じてCopilot Creditsを消費します。ここがランニングコストの中心です。

支払方法

利用量をあらかじめ購入する容量パック、実利用分を後払いする従量課金、年間利用量を前払いするP3があります。

利用者と公開先

Microsoft 365内で認証済みの従業員が使うのか、Webサイトで一般顧客が使うのかによって、利用できる権利や必要な契約が変わります。

この4つを分けると、「作成者ライセンスが無料だから、エージェントも無料で運用できる」「容量パックを購入すれば、どの用途でも追加確認は不要」といった誤解を避けやすくなります。

Copilot Studioの支払方法は3つ

Copilot StudioのCreditsを確保する方法は、主に次の3つです。製品の機能や性能というより、支払い方と利用量の持ち方が異なります。

  • 容量パック
    • 向いているケース:月間利用量が比較的安定している
    • 主な特徴:25,000 Credits単位で前払い
    • 注意点:未使用分は翌月へ繰り越せない
  • 従量課金
    • 向いているケース:小さく始めたい、繁閑差が大きい
    • 主な特徴:実利用分を月末に後払い
    • 注意点:Azureサブスクリプションと課金ポリシーが必要
  • Copilot Credit P3
    • 向いているケース:年間で大規模に利用する
    • 主な特徴:1年分を前払いし、利用規模に応じて段階割引
    • 注意点:未使用分は年間契約終了時に失効

容量パック

容量パックは、1パック当たり25,000 Copilot Credits/月をテナントへ付与する方式です。日本向け公式表示価格は29,985円/パック/月相当で、年払い・税別です。

月間利用量がある程度読める場合は、予算化しやすいことが利点です。一方、使わなかったCreditsは翌月へ繰り越せず、使用量は毎月1日にリセットされます。Microsoft LearnのFAQでも、未使用容量は翌月へ繰り越されないと説明されています。

追加容量が必要な場合は、複数パックの購入に加え、従量課金メーターを併用して超過分をカバーする方法も検討できます。

従量課金

従量課金は、前払いのライセンスコミットメントなしで、実際に消費したCopilot Creditsを月末に支払う方式です。利用するには、環境をAzureサブスクリプションへ関連付ける課金ポリシーが必要です。

2026年8月版のMicrosoft Copilot Studio Licensing Guideでは、米国向け参考価格として0.01米ドル/Copilot Creditとされています。ただし、本記事では為替レートを使った日本円換算は行いません。実際の請求通貨、税、契約条件は購入時に確認してください。

利用量がまだ読めないPoCや、季節によって問い合わせ量が大きく変わるエージェントでは、従量課金で実績値を集めてから容量パックと比較する方法が現実的です。

Copilot Credit Pre-Purchase Plan(P3)

P3は、Copilot Creditsを1年間分まとめて前払いする方式です。2026年8月版ガイドでは、購入量に応じて5〜20%の段階割引が示されています。

大量利用では有力ですが、未使用Creditsは年間契約終了時に失効します。「割引率が高いから」という理由だけで選ばず、年間使用量の予測精度と失効リスクをあわせて検討する必要があります。

作る人に必要なライセンス・権限

Copilot Studioでは、エージェントの実行容量とは別に、作成・管理者へ資格を付与します。

  • 容量パック:Copilot Studio User License(無償)
  • 従量課金・P3:Copilot Studio Author role(無償)
  • 試用版:Trial license(無償。ただし公開不可)

Microsoft Learnのライセンス説明によると、容量パックを使う場合は、エージェントを構築・管理するユーザーごとに無償のCopilot Studio User Licenseを割り当てます。従量課金やP3では、Power Platform管理センターでセキュリティグループをCopilot Studioの作成者設定へ割り当てます。

ここでの「無償」は、あくまで作成者がアクセスするためのライセンスまたはロールの価格です。公開したエージェントの実行に必要なCopilot Creditsまで無制限に無料になるわけではありません。

また、試用版ではエージェントの作成とテストはできますが、試用版だけでは公開できません。

Copilot Creditsとは?25,000 Creditsで何回使えるのか

Copilot Creditsは、Copilot Studioでエージェントが処理を実行するときの共通単位です。同じ1回の利用でも、事前定義した回答を返すだけなのか、生成AIで回答を作るのか、外部システムを操作するのかで消費量が変わります。

Microsoft Learnの請求レート表に掲載されている代表的なレートは、次のとおりです。

  • 従来型の回答:1 Credit
  • 生成回答:2 Credits
  • エージェントアクション:5 Credits
  • テナントグラフグラウンディング:10 Credits
  • エージェントフローアクション:100アクション当たり13 Credits
  • コンテンツ処理ツール:1ページ当たり8 Credits

AIツール、推論モデル、音声などには別のレートがあります。また、1回のやり取りで複数の処理が同時に発生することがあります。

単純化した計算例

たとえば、1回の利用で「生成回答を1回」と「アクションを2回」実行する場合、単純計算は次のようになります。

図:1回の利用で合計12 Creditsを消費する単純化した例。実際の消費量は利用機能や処理内容で変わります(FourYou作成)

2 Credits + 5 Credits + 5 Credits = 12 Credits/回

この構成を月1,000回利用するなら、単純計算では12,000 Creditsです。

ただし、これは説明のために単純化した例です。実際には、AIツールのトークン、グラウンディング、エージェントフロー、推論モデル、音声などが追加で動く可能性があります。契約容量を決めるときは、エージェントの設計とテスト結果から処理ごとの実績値を確認しましょう。

Copilot Studio単体とCopilot Business付きプランを比較

「Copilot Studio単体は29,985円なのに、Microsoft 365 Business StandardとCopilot Businessの組み合わせは3,523円」と見ると、後者が圧倒的に安く感じられます。

しかし、この2つは課金単位が違います。

Microsoft 365 Business PremiumとMicrosoft 365 Copilot Businessの公式価格カード

Microsoft 365 Business StandardとMicrosoft 365 Copilot Businessの公式価格カード

Microsoft 365関連プランは1ユーザー単位の価格です。Copilot Studio容量パックのテナント単位価格とは単純比較できません。出典:Microsoft公式価格ページ(2026年8月7日確認)

  • Copilot Studio容量パック
    • 公式ページ表示価格:29,985円/月相当
    • 課金単位:1テナント
    • 主な検討用途:外部公開、顧客向け、複数チャネル、本格運用
  • Business Standard+Copilot Business
    • 公式ページ表示価格:3,523円/月相当
    • 課金単位:1ユーザー
    • 主な検討用途:Microsoft 365内の社内活用、生産性向上
  • Business Premium+Copilot Business
    • 公式ページ表示価格:4,797円/月相当
    • 課金単位:1ユーザー
    • 主な検討用途:社内活用に加え、ID・端末・セキュリティ管理を強化

いずれも年払い・税別の2026年8月7日時点の公式ページ表示です。Microsoft 365の価格ページには期間限定キャンペーンや初年度価格に関する注記もあるため、購入時には適用条件と更新後価格を確認してください。

また、Business StandardとPremiumの違いは、Copilot Studioの性能差だけで判断するものではありません。Premiumを選ぶ主な理由は、高度なID・アクセス管理、サイバー脅威対策、端末管理、情報保護など、Microsoft 365基盤側の管理要件です。

したがって、単純に「まず始めるならStandardが最安」とは限りません。既存契約、利用人数、公開先、セキュリティ要件を確認して選ぶ必要があります。

Microsoft 365 CopilotがあればCopilot Studioは無料なのか

答えは、条件を満たす社内利用では、追加のランタイムCreditsが不要になる範囲がある。ただし、すべてが無条件に無料になるわけではないです。

Microsoftのライセンスガイドでは、Microsoft 365 Copilotライセンスを持つ従業員が、認証済みのユーザーIDでMicrosoftチャネル上の従業員向けエージェントを使用する場合、対象となるCopilot Studioのランタイム利用がMicrosoft 365 Copilotの利用権に含まれると説明されています。

確認すべき条件は次のとおりです。

  • 利用者がMicrosoft 365 Copilotライセンスを持っている
  • 認証済みのユーザーIDで利用する
  • 従業員向け、いわゆるB2E(Business to Employee)シナリオである
  • Teams、SharePoint、Microsoft 365 CopilotなどのMicrosoftチャネルで利用する
  • fair usage limitsの範囲内である

一方、Work IQ API、Computer-Using Agent、一部のフローや作成者向けAI機能など、別途Copilot Creditsが必要になる機能があります。Webサイトで一般顧客へ公開する場合も、Microsoft 365 Copilotユーザー向けの社内利用権だけではカバーできません。

「Microsoft 365 Copilotがあれば無料」と短くまとめず、誰が、どのIDで、どこから、どの機能を使うかまで確認することが重要です。

Teamsプランとスタンドアロン版の違い

Copilot Studioには、一部のMicrosoft 365サブスクリプションに含まれるTeams向けの機能と、スタンドアロン版があります。

  • 主な公開先
    • Copilot Studio for Teams:Teams
    • スタンドアロン版:Teamsを含む対応チャネル、Webなど
  • オーケストレーション
    • Copilot Studio for Teams:クラシック
    • スタンドアロン版:生成オーケストレーションに対応
  • Premiumコネクタ
    • Copilot Studio for Teams:対象外
    • スタンドアロン版:対応
  • Credits
    • Copilot Studio for Teams:Teams環境内で作成したエージェントは消費しない
    • スタンドアロン版:原則として処理内容に応じて消費。M365 Copilot利用権の対象条件あり

Microsoft LearnのFAQでは、Copilot Studio for Teamsを使ってTeams環境内で作成したエージェントはCopilot Creditsを消費しないと説明されています。

一方、スタンドアロン版で作成してTeamsチャネルへ公開したエージェントは、原則としてCreditsを使用します。ただし、Microsoft 365 Copilotライセンスを持つエンドユーザーの対象利用は課金されない場合があります。

つまり、「Teamsで使うか」だけでは判断できません。どのプラン・環境で作成したエージェントかを区別する必要があります。

自社にはどの方式が合う?ケース別の選び方

最初に検討すべき方向は、利用者と公開先で大きく分かれます。

図:利用者・公開先・管理要件・利用量から候補を絞るための目安(FourYou作成)

  • 社内Teamsで限定的なFAQを作る → TeamsプランまたはM365 Copilot利用権
  • Microsoft 365内でライセンスユーザーが使う → M365 Copilotの対象条件
  • Webサイトや顧客向けに公開する → スタンドアロン版の容量パックまたは従量課金
  • 利用量が小さい、またはまだ読めない → 従量課金で実績を測る
  • 月間利用量が安定している → 容量パックと従量課金を同じ条件で比較
  • 年間で大規模に利用する → P3の割引と年間失効リスクを比較

このフローは候補を絞るための目安です。最終的には、認証方式、接続するシステム、データ保護、利用するAI機能まで確認して決定します。

費用を見積もるために整理したい6項目

正確な見積もりには、ライセンス名より先に利用シナリオを整理することが重要です。

  • 利用者:社員、取引先、一般顧客の誰が使うか
  • 公開先:Teams、Microsoft 365 Copilot、SharePoint、Webなど
  • 既存ライセンス:Microsoft 365 Copilotや対象Microsoft 365プランの有無
  • 月間利用量:利用回数、ピーク時の件数、繁閑差
  • 1回に動く処理:回答、アクション、フロー、グラウンディング、AIツール、音声
  • 連携先:社内データ、外部SaaS、基幹システム、認証方式

初期段階ですべてを正確に決める必要はありません。まず仮説値で試算し、PoC後にPower Platform管理センターの消費実績を使って更新する流れが現実的です。

Power Platform管理センターでCopilot Studioのテナント容量を管理するMicrosoft公式画面

Power Platform管理センターでは、Copilot Studioの容量を管理できます。出典:Microsoft Learn(2026年8月7日確認)

管理センターでは、プリペイド容量の購入・割り当て・消費状況、従量課金の月間使用量、環境別の使用量などを確認できます。Microsoftのドキュメントでは、データは日次で集計され、一部に遅延が生じる場合があるとされています。

よくある質問

25,000 Creditsは25,000回の会話ですか?

いいえ。Copilot Creditsは会話回数ではなく、回答、アクション、グラウンディング、AIツールなどの処理内容に応じて消費されます。1回のやり取りで複数のレートが加算されることもあります。

未使用のCreditsは翌月へ繰り越せますか?

月額容量パックの未使用Creditsは翌月へ繰り越せません。Creditsの使用量は毎月1日にリセットされます。P3の未使用Creditsは、1年間の契約終了時に失効します。

Microsoft 365 Copilotがあれば追加料金は不要ですか?

認証済みのMicrosoft 365 CopilotライセンスユーザーがMicrosoftチャネルで従業員向けエージェントを利用するなど、条件を満たす範囲は利用権に含まれます。ただし、外部公開や対象外機能を含め、すべての作成・実行が無条件に含まれるわけではありません。

無料試用版でエージェントを公開できますか?

試用版では作成とテストはできますが、試用版だけではエージェントを公開できません。

テストチャットはCreditsを消費しますか?

Copilot Studio内の埋め込みテストチャットのメッセージは、課金対象のセッションにはカウントされません。本番チャネルへ公開して行うテストとは分けて考えてください。

ユーザーが返事をしなかったあいさつも課金されますか?

エージェントが自動で開始するプロアクティブな応答は、ユーザーが返答しない場合でもCopilot Creditsを消費することがあります。利用量の試算では、ユーザーからの質問数だけでなく、自動実行される処理も含めます。

まとめ:料金は「月額」より利用シナリオから決める

Copilot Studioの代表的な価格は、25,000 Copilot Creditsを含む29,985円/パック/月です。ただし、これだけで自社の最終費用は決まりません。

検討時は、次の順番で整理すると判断しやすくなります。

  • 社内向けか、外部・顧客向けかを決める
  • 既存のMicrosoft 365 Copilot利用権を確認する
  • 1回の利用で動く処理を洗い出す
  • 月間利用量と繁閑差を仮置きする
  • 容量パック、従量課金、P3を比較する
  • PoC後の実測値で見積もりを更新する

Copilot Studioの料金は、単純な「ユーザー数×月額」ではなく、利用シナリオとエージェント設計から考えることが重要です。

参考にしたMicrosoft公式情報

最終確認日:2026年8月7日